日々の臨床の中で、考えることがある。
患者さんに「リハビリの先生」と呼ばれるたびに、
聴講側でありながら、研修会で「先生」と呼ばれるたびに。
或いは、カルテに「治療プログラム」と記載するたびに。
我々は一体何を治療しているのだろう、と。
疑問に思ったことはないだろうか。
関節可動域、10度改善したからどうなるの?
徒手筋力検査、4から4+になったからどうなるの?
患者さんの隣に付き添って歩行練習、家族が付き添って歩いたって変わらないんじゃないの?
というかこの患者さん、ほっといてもある程度はよくなったんじゃない?
それはつまり、我々は何をもって理学療法士を名乗ることができるのか、という問いかけにほかならない。
その答えは未だわからないけれど、問うことは重要だ。
自分自身とのコミュニケーションが、その人物の成長を約束する。
疑問がなければ成長もできない。
しかし、我々理学療法士でなければ出来ない、ということがすなわち、
専門性というものを形作っていく一つの要因であるならば、
我々がしなければならない最低限のことは、
知識を身につけスキルを磨いたうえで理学療法を提供するという、
ごくまっとうな考えに落ち着くことになるだろう。
しかしながら、往々にして人間の腰とは重いもので、動き出すにはきっかけが必要だ。
幸運にも「学び」へのドライブがかかったとしても、ひとりでゆくには道は果てしない。
と、いうわけで、ここは一つの道しるべのようなものである。
管理人の独断と偏見により、おそらくこれを知っていた方がいいのではないかという、
理学療法に関わる基礎的事項をまとめてみたページである。
何でこんなページを作ったかと言うと、理由は自分でもわからない。
ただ、どの研修会に出るにもお金がかかるし、教科書は高いのである。
一世代前ならいざ知らず、我々若手理学療法士の給料で、
そんなに出かけられるかとか、諭吉前後の教科書を買えるものかとか、
そういう逆恨み的な気持ちがないとはいえない。
しかも、教科書に書いてある内容は難解で眠くなる。
小難しく書くことが趣味なのか? と思えるほどだ。
したがって、心がけるのは、とにかく分かりやすくということ。
教科書のようなかたい言葉ではなく、できるだけ話し言葉に近い形で、
理学療法の基礎に関わるあれやこれやそれを語っていけたらと考えている。
その中でより発展的なことが知りたいという欲求が高まったならば、
専門書を求めていただければ幸いである。
あくまでここは入り口に過ぎないのだから。
では、一緒にお勉強を始めましょう……
★トップページへ戻る★
|